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執筆者の写真木村幸比古

無双直伝英信流山内派研究会

先日(9月7日)に第十二回 無双直伝英信流山内派研究会が開催され、私が大会のご挨拶をさせていただきました。

以下がその内容となります。



ご挨拶

大会会長 木村 幸比古


 この度、第十二回 無双直伝英信流山内派研究会が開催されるにあたりお祝い申し上げます。

 土佐藩主山内容堂の孫にあたる、子爵山内豊健先生が大日本武徳会範士の内藤高治先生の招聘に、当初は固辞されています。

 昭和初年、剣道範士田中知一先生は、剣道範士大森小四郎とともに広島の剣道範士の堀 正平先生を招き、京都初の英信流居合講習会を開いて参加証を拝受しています。堀先生はその後、呉海兵団、江田島海軍兵学校の師範となり、京都・一乗寺下がり松に、宮本武蔵と吉川一門の決闘の碑を建碑しています。その後、剣聖とよばれた中山博道先生が門下と入洛し、居合を披露します。内藤先生は居合の業のみならず品格ある子爵の山内先生へ「ミチノタメニキタレ」の招聘を再度送られ、固辞した山内先生もついに居合の志をたて、昭和三年八月十三日入洛されました

 ―南国の 土佐より出でて来るならば 見る人ごとに美しく見ゆー

 ―長閑なる 京のまちをよそにして 剣持つ人いと鋭きーと決意を詠まれました。 


 無双直伝英信流十七代・居合道範士大江正路先生が無双直伝英信流を山内家にふさわしい業前にして献上し、山内先生は十八代目を名乗り、京都では山内派とよばれています。 山内先生はこの居合を披露、大日本武徳会から教士の称号を拝受されました。国の公的な武道専門学校の武道教育で、初の居合の講師をつとめ十年間指導されました。卒業生は全国各地の中学校・高校教諭・師範学校教授となり、居合の指導法は大江先生が山内先生に教えられたとおり、まず業の成立の解説、拝見演武をみて、それぞれが研鑽する。

本大会もこの拝見演武の形式になっています。


 山内先生が披露されると聞くや、東京から中山先生がこられ、居合談義し神伝流の業の参考にしたといいます。武道専門学校生徒は範士になる黒住龍四郎、井下経広先生らが剣道、居合で大家になられました。

 宇野又二先生は、高知高校時代に、範士石山熊彦先生から居合を勧められ、大江先生、山内先生のもとでその奥義を学び、その後、西陣署内の北野武徳殿でも山内先生を招き研鑽されました。門下生は北区の弘道館、知恩院内でも講習会をたびたび開き、その後も宇野先生は、京都における山内派の門下生を育てられました。山内先生には武道専門学校の柔道学生も居合を学んでいます。

 伯耆流居合にも関心を寄せられ、著書の中でも伯耆流を写真入りでくわしく解説しています。範士山本晴介、政岡壱實先生らと親交があって居合の研鑽につとめられました。政岡先生は入洛の折、京都に英信会の創設を提案し、豊剣会初代会長の範士倉橋常茂先生が発起人となられました。

 武道専門学校の柔道聴講生の範士吉澤一喜先生は、昭和三十三年九月、居合道研究会を立ち上げ、専修寺内柔道場内に伯耆流居合を開設。昭和四十二年、京都府剣道連盟初代居合道部長に就任されました。


 本大会から山内派の一門に加え、伯耆流も一堂に介した大演武会を開き、日頃の業前を披露されることは、大変喜ばしいことです。各道場のご発展を祈念し、お祝の言葉とします。


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